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その原因は「ビタミンB1不足」かもしれません
「最近ずっと疲れが抜けない」
「集中力が続かず、頭がぼーっとする」
「理由はないのに気分が不安定になる」
こうした不調を、年齢やストレスのせいにしていませんか?
実はその背景に、ビタミンB1不足が隠れている可能性があります。
ビタミンB1は単なる“疲労回復ビタミン”ではなく、
エネルギー代謝・脳・神経を支える中枢的な栄養素です。
しかもビタミンB1は水溶性で、
体内に貯めておくことができず、数時間で排出されます。
つまり、毎日の食事内容がそのまま体調に直結します。
この記事では、
ビタミンB1が不足すると体と脳で何が起きるのかを、
仕組みからわかりやすく解説します。
実は「蚊に刺されにくくなる」可能性があるのをご存じでしょうか?
ビタミンB1を摂取すると、
体内で分解される過程で硫黄様の匂い成分が汗とともに放出されます。
人間には感知できませんが、
この匂いを蚊が嫌う可能性があると考えられています。
科学的に完全に解明されているわけではありませんが、
夏場にビタミンB1を意識して摂ることで、
蚊に刺されにくくなる可能性があるという、興味深い側面です。
疲労物質「乳酸」が溜まる本当の理由
私たちが食事から摂った炭水化物(ブドウ糖)は、
体内でエネルギー(ATP)に変換されて初めて使われます。
この変換過程で重要なのが、
PDH(ピルビン酸デヒドロゲナーゼ)という酵素です。
そしてこの酵素が働くために、
絶対に必要なのがビタミンB1です。
ビタミンB1が不足すると、
・ピルビン酸がエネルギーに変換されない
・行き場を失ったピルビン酸が乳酸に変わる
・疲労感・筋肉のだるさ・集中力低下が起こる
つまり「疲れ」は、
エネルギーが作れないサインでもあるのです。
脳は体重の約2%しかありませんが、
全エネルギー消費の20%以上を占める臓器です。
ビタミンB1が不足すると、
脳内でATPが不足し、いわば脳の大停電が起こります。
その結果、次のような連鎖が始まります。
ドーパミンは「やる気・快感」を生む神経伝達物質ですが、
増えすぎると脳にとっては“ゴミ”になります。
本来はCOMT酵素によって分解されますが、
この酵素もATPがなければ働けません。
ビタミンB1不足
→ ATP不足
→ ドーパミン分解不能
→ 脳内にドーパミンが蓄積
結果として、
・集中力低下
・情緒不安定
・幻覚・妄想などの精神症状
につながる可能性があります。
ドーパミン過剰は、
アドレナリン増加を引き起こします。
このアドレナリンが酸化されると、
アドレノクロムという強力な酸化物質が生成されます。
アドレノクロムは、
・強い酸化ストレスを与える
・神経細胞を直接損傷する
という特徴を持ち、
長期的には脳機能そのものを低下させる要因になります。
実は、ビタミンB1は摂取しただけでは機能しません。
体内で活性型(TPP:チアミンピロリン酸)に変換されて初めて働きます。
この変換に不可欠なのが、
ミネラルのマグネシウムです。
マグネシウムが不足していると、
・ビタミンB1が活性化できない
・摂っても効果が出にくい
という状態になります。
実際に、
ビタミンB1単独では改善しなかった神経症状が、
マグネシウム併用で改善したという報告もあります。
せっかく摂ったビタミンB1も、
日常の習慣で無駄になっていることがあります。
主な阻害要因
・コーヒー・紅茶
ポリフェノールがビタミンB1を不活化
・アルコールの過剰摂取
吸収阻害+肝臓での利用低下
・生の魚介類・山菜(わらび・ぜんまい)
チアミナーゼという分解酵素を含む
※チアミナーゼは加熱で失活します。
ビタミンB1は1910年、
鈴木梅太郎博士によって米ぬかから発見されました。
この発見により、
・脚気(末梢神経障害)の原因が解明
多くの命が救われた
という歴史があります。
近年では、
・慢性疲労
・ミトコンドリア機能低下
・アルツハイマー病
・糖尿病性神経障害
との関連も示唆され、
現代人の脳と神経を守る栄養素として再注目されています。
ビタミンB1は、
・エネルギー生成
・疲労回復
・脳と神経の安定
・将来の健康リスク低減
に関わる、極めて重要な栄養素です。
しかし日本人の摂取量は、
1970年代の平均1.4mgから、
現在は1mg未満にまで低下しています。
もしあなたが、
・疲れが取れない
・集中力が続かない
・気分が不安定
と感じているなら、
それは体と脳からのサインかもしれません。
豚肉・玄米・全粒穀物・ナッツ類・魚介類を意識し、
ビタミンB1とマグネシウムをセットで取り入れることが、
心と体を立て直す第一歩になります。